法律相談あれこれ
弁護士 吉川法生がお答えします
           過払金返還請求

Q:私は、10年以上前、生活費の不足から消費者金融からお金を借りました。そして、その返済のため消費者金融6社ほどから借り入れをしており、今でも合計200万円以上の借金が残っています。返済は定期的に続けているのですが、返しても返しても元本が減らず、なかなか完済になりません。同じように消費者金融に借金のあった友人が、弁護士に相談したら消費者金融からお金が返ってきたという話を聞いたのですが、私の場合はどうでしょうか。

A:あなたの場合は、消費者金融に対して過払金が発生している可能性があります。
過払金とは、簡単に言えば債務者が貸金業者に払いすぎたお金のことを言います。もう少し詳しく説明すると、まず、利息制限法という法律で、利息は、
 元本が10万円未満の場合   年20%まで
 元本が10万円以上100万円未満の場合  年18%まで
 元本が100万円以上のとき  年15%まで
と定められています。しかし、貸金業者がこの制限を上回る金利で貸し付けたからといって、刑事罰を受けることはありません。
一方で、出資法という法律により、利息は29.2%までと定められており、これには罰則が定められています。そこで、消費者金融は、出資法と利息制限法の間の領域(この領域のことを、「グレーゾーン」といいます)で、貸付を行っているのです。
そこで、消費者金融が出資法すれすれの金利で貸付を行っていた場合、利息制限法の金利に計算しなおすと、債務者の返済はすでに元本まで全て終わっていて、債務者の払いすぎになっているケースがあるのです。この払いすぎたお金のことを、過払金といいます。
この過払金が生じているかどうかは、消費者金融からあなたの取引履歴を取る寄せて、利息制限法による引きなおし計算をしてみないとわかりませんが、10年以上前から消費者金融との取引があるため、過払金が発生している可能性は高いといえますので、すぐに弁護士等に依頼することをお勧めします。
では、次に、過払金の取り戻しの手続きについて簡単に説明します。
まず、法律事務所などに行き、弁護士などにあなたの借金について相談をしてください。そこで、あなたがその弁護士に債務整理、過払金返還請求を委任することになったら、弁護士が、貸金業者に対して、あなたの債務整理、過払金返還請求を受任しましたという内容の受任通知を発送することになります。弁護士が貸金業者に受任通知を発送すると、貸金業者はあなたに対して、直接請求することが出来なくなります。
そして、受任通知の発送後、貸金業者は、あなたの取引履歴をあなたの依頼された弁護士へ送ってきます。弁護士はその取引履歴を基に、あなたの借金及びその返済状況について、利息制限法で引き直した額を計算します。すると、あなたの本当に残っている借金はどれだけか、または、あなたにどれだけの過払金が発生しているかがわかります。そして、あなたに過払金が発生していた場合、弁護士は、貸金業者に対して、過払金の返還請求をします。
これに対し、貸金業者は、過払金返還の減額を申し入れてくることがほとんどです。この減額交渉については、あなた自身の判断にもよるのですが、特に早期にお金が必要であるという事情がないのであれば、この減額請求に応じる必要は無いものと考えます。
そして、結局、貸金業者から過払金の返還がない場合、弁護士は、過払金返還請求訴訟を起こすことになります。そして、その第1回期日に弁護士が裁判所に出頭することになりますが、訴訟提起後に訴訟外で和解が成立することもよくあります。和解が成立した時は、弁護士が訴訟を取り下げることになり 、和解が成立しなければ、判決ということになります。どちらにせよ、過払金返還請求訴訟を起こした方が、全額かそれに近い額を回収できる可能性が高いと思われます。

タイトルイメージ
本文へジャンプ
明るい未来と幸せな生活を目指して
法律相談なら個人法人を問わずOK!