ネガティブオプションへの対応 |
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Q:頼んでもいないのに自宅に定期購読の雑誌が送られてきました。 しばらくほうっておいたのですが、1ヶ月後くらいに中を開けてみると、「 商品が届いてから5日以内に送り返さないと購入したものとみなします」と 書かれており、商品代の請求書と振込用紙が来ました。どうしたらいいでし ょうか? 場合は、たいてい、「この商品をお買い上げにならないときは、○日以 内に返送してください。もし返送がない場合は、お買い上げの意思があ るものとみなします。」といった内容の注意書きが付いています。 消費者が、頼んだ覚えもないからほうっておくと、請求書を送りつけて 代金を支払うように請求し、「返送しなかった方が悪い」として、代金 を支払わせるのです。 このような一方的な売り付けを「ネガティブオプション(押し付け商法 )」といいます。 売買契約に基づいて、代金を支払う義務が生じるのは、売主(業者)の 「売りましょう」という意思(申込み)と買主(消費者)の「買いまし ょう」という意思(承諾)の合致があったときです。 ネガティブオプションでは、業者の申込みしかありませんので、売買契 約は成立せず、消費者に代金支払義務はありません。 たとえ、返送しなかったら購入の意思があるとみなす、という注意書き があったとしても、消費者にはそれを受け入れる義務はなく、消費者の 承諾がないので、売買契約が成立せず代金を支払う必要はありません。 では、勝手に商品を処分してもいいのでしょうか? 商品が送りつけられたときは、すぐに使用せず、しばらく保管をしてお いてください。 すぐに使用すると承諾があったと評価されて、売買契約が成立しかねま せんし、契約が成立していない以上、商品は業者の所有物ですので返還 を求められたら返す必要があります。 もっともいつまでも保管しておかなくてならないわけではありません。 特定商取引に関する法律59条(以前は訪問販売法18条で規定されて いました)は、商品が送りつけられた日から2週間経過しても業者が取 りに来なかった場合、または消費者が業者に対し、商品を取りにくるよ うに請求してから1週間経過しても商品を取りに来なかった場合は、業 者は、商品の返還を求めることができないと定めています。 今回の相談者の方は、雑誌が届いてから1ヶ月以上たっているので、業 者はもう返還を求めることはできません。 したがって、相談者の方は、自由に雑誌を処分することができます。 このような悪徳商法はネガティブオプションの他にもたくさんあります 。悪徳業者の手口は非常に巧妙で、いかにも消費者が代金を支払わなけ ればならないかのように請求してきます。 代金を支払う前に、すぐに弁護士などの法律家や消費者センターに相談 してみて下さい。 |
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