「借金のことなら専門家へ!」とは?

Q:10年以上前から、消費者金融から借金しています。借りては返し、借
りては返しの繰り返しで、債権者は7社にも膨れ上がってしまいました。毎
月返しているのですが、返しても返しても借金は減りません。総額で300
万円くらい借金が残っています。
最近よくテレビや電車の中刷り広告で、借金のことは、弁護士さんや司法書
士さんに相談しましょうというのを見て、お金が戻ってくるかもしれないと
いうのを見かけますが、どういうことですか?また、債務整理、破産、個人
再生という単語の意味の違いがよくわかりません。

A:消費者金融からの借金は、利率が高いので、返済しても返済しても
なかなか完済するのが難しく、最初は1社のつもりが、その返済のため
に別の会社から借りるようになり、その会社の返済のために、また別の
会社から借りるようになり・・・とこれを繰り返すと、債権者がものす
ごく多くなり、借金も膨れ上がってしまいます。
消費者金融からの借金の完済が難しいと思ったら、むやみに他社からの
借入れをしてもその場しのぎに過ぎませんので、すぐに弁護士や司法書
士へのご相談をお勧めします。
1.債務整理、破産、個人再生って?
(1)債務整理(任意整理)とは、借金の額が比較的少なく、定期的な
収入や、過払い返還訴訟でまとまったお金のある方の場合、専門家が依
頼者の代理人となって、債権者と交渉し、分割払いや借金の減額など、
一定の合意をして、その合意どおりに返済していくことをいいます。
(2)破産は、借金が多額で、収入状況から返済することが困難な場合
、裁判所に申し立てて、借金をなくす手続きをすることをいいます。
破産は借金をなくす(これを「免責」と言います)ことができるのです
が、不動産などの大きな財産を所有している場合は、売却しなければな
りません。債権者の特別扱いは許されず、住宅ローンを借りている銀行
だけには返して、残りの消費者金融のみ破産して免責をもらうというこ
とは許されません。また、ギャンブルなどの遊興費や浪費が借金の原因
の場合は、免責にならない場合もありますし、破産することが、職業に
よっては、資格を失い、その仕事ができなくなる場合がありますので、
注意が必要です。
(3)個人再生(民事再生)は、借金を債務額に応じて大幅に減らした
上で、分割で返済していく計画を立てて、裁判所に申し立てる手続きを
言います。
債務整理では、債務額を元本より少なくすることはできませんが、個人
再生では、元本よりも大幅に債務を減らすことができます。その代わり
、弁済計画などを作成して、裁判所への申立の手続きが必要となります

個人再生の最大のメリットは、住宅ローンについては、従前のまま返済
を続けることができるという点です(もちろんローンの減額はありませ
ん)。
もちろん、住宅ローンの返済と残った債務の返済がありますので、返済
できる程度の収入がなければ、利用することはできません。
(4)債務整理、破産、個人再生と借金問題には、いろんな処理方法が
あるのですが、それぞれメリット・デメリットがあり、債務額、収入状
況、財産状況によって、どの手続きが適しているかはケース・バイ・ケ
ースとしかいいようがありません。詳しいことは、お近くの専門家にご
相談されることをお勧めします。



法律相談あれこれ
弁護士 吉川法生がお答えします
タイトルイメージ
本文へジャンプ
明るい未来と幸せな生活を目指して
法律相談なら個人法人を問わずOK!