法律相談あれこれ
弁護士 吉川法生がお答えします
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            遺言の活用について

Q:私は小さい頃から一生懸命に働き、その甲斐あって自宅の外、二、三の不動産や株・預金も多少はあります。
私の家族は妻と子供二人であり、みんな仲良くやっているので、相続財産の分割でもめることはないと思っています。しかし世間での相続問題についてのもめ事も聞きますし、また、商売は長男に継がせたいと考えていますので、そのあたりを確実にしておくにはどうしたらいいでしょうか。


A:相続財産の分割にもっとも適切なものは遺言書を作っておくことです。
アメリカの中流社会以上では遺言はあたりまえのことになっていますし、日本でも経済的に向上し、各人所有の資産も大きくなってきましたので遺言をする人も増えてきました。
毎年元日に遺言書を作る人もいます。
心身が正常な時にこそ適切な判断ができるものであり、毎年作るというのも面白い方法です。なお、遺言は最も新しいものが有効となります。あなたの場合は、家族が仲良いということで、それはいいことですが、子供が結婚すれば他人が入ってくることになり、念の為ということもあって遺言をしておくことにこしたことはありません。
遺言の作り方としては、
自筆証書遺言、公正証書遺言、秘匿証書遺言があり、その他死亡危急者遺言もあります。
このうち、自筆証書遺言は、遺言者が自分一人で、日付、氏名、遺言内容全文を書いて押印しておくものですが、形式を間違って無効になる場合もあるので注意して下さい。最も確実な方法は、公正証書遺言であり、これは、遺言者と証人二人が公証役場へ行って作ってもらうのです。遺言の内容については弁護士等専門家に相談して決めるとよいと思います。
一度遺言をしても遺言者が対象資産を生前にどう使うかは自由ですし、またいつでも遺言自体を書き直せます。
遺言で相続人の一人に全部を相続させることも可能ですが、他の相続人は、本来の法定相続分の半分については、遺留分として全部相続の人に対して取り戻し請求をすることができます。
本問の場合は、長男の商売に必要な場合のものを相続させておくことができますが、配偶者たる妻に相当分を相続させ、これを長男が使用するという形態が、残された妻の立場を配慮したよい方法と思われます。そして奥さんが亡くなる際に遺言で長男に相続させたらよいと思います。