法律相談あれこれ
弁護士 吉川法生がお答えします
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Q:二ヶ月前に父が死亡しました。父には、父名義の土地・建物や株券、そして預金がありましたが、母と弟との間で、それらをどう分けるのか、まだ話をしていません。そろそろその話をしたいと思うのですが、話ができたら書面にしておいた方がよいのでしょうか。


A:交通事故に遭った場合、損害賠償の対象となるのは、大きく分けて、
@治療費、付添費、入院雑費、通院交通費など支出をしたもの
A休業損害、あるいは後遺症によって労働能力が減ることによって将来得られたはずの収入を失う損害
B精神的苦痛をいやすための慰藉料(傷害を受けたことへの慰藉料と後遺症が残ったことへの慰藉料)
の三種類があります。
さて、こうした傷害を金銭に換算して示談をするわけですが、示談する場合、通常、被害者は今後加害者に対して一切の請求をしないという条項が入ります。
従って、あなたとしては治療が終わるか、後遺症が残るにしても原状が固定してから、最終的な金額を決めた方がよいでしょう。それまでは、内払いという形で受領しておいた方がよいと思います。どうしても急ぐ場合は、将来の後遺症についての請求は留保しておくことを書面上明らかにしておいて下さい。
加害者は、通常、任意保険に入っていますから、示談は保険会社の担当者を通じてなされることが多いわけですが、重要なのは納得するまで示談に応じないことです。金額面で不明な点がある場合は、弁護士に相談されることをお薦めします。
そして、示談が成立という段になったら、その内容をなるべく具体的かつ明確にしておいて下さい。
中には、加害者から警察に届けないで示談をしてほしいと言ってくる場合があると思います。しかし、そのような示談には応じるべきではないでしょう。加害者は免停などの行政上の処分や刑事上の責任を問われたくない目的でこのようなことを言ってくるのです。
しかし、加害者が確実に払ってくれるという保障は全くありませんし、後日になってあなたにも過失がある等と言ってくることも十分予想できますから、ちゃんと警察に届け出て事故証明書をもらっておくべきでしょう。この事故証明書は自賠責保険の請求をする場合にも必要とされます。
いずれにしても、ちゃんと治療を受け終ってから、納得のいく金額で示談すべきでしょう。