法律相談あれこれ
弁護士 吉川法生がお答えします
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          学校の部活での事故

Q:うちの子は、公立高校の野球部に入っているのですが、部活の練習試合でデッド・ボールを受け、負傷しました。誰かに対して何らかの損害賠償請求ができるのでしょうか。


A:学校の校長ないし教師は、学校内での教育活動及びこれと密接な関係に
ある生活関係において、生徒の安全に配慮し、生徒を保護監督すべき義務を
負っています。 この義務は、国公立・私立によって違いはありませんが、国公
立の学校において、その教員の故意又は過失によって生徒に損害が生じた
場合、国家賠償法という法律によって、国家又は地方公共団体が賠償責任を
負います。
教員の過失の有無を判定する要素としては、授業や課外活動の内容の危険
性の程度、生徒の年齢・能力・習熟度、教育指導水準・指導体制、教育活動の
時間・場所・天候、生徒の指示違反の関係等が考慮され、結果を予見できたか
どうか、結果の発生を回避できたかどうかの判断になります。

さて、本問の場合、部活の練習試合ということですが、これは、学校教育の一
環として行われている野球部の活動である以上、教師には生徒の安全に配慮
すべき義務が生じます。 ただ、野球部の試合では、野球という競技の性格上、
いかに細心の注意を払っても、試合のなかでデッド・ボールが発生すること自
体は避けられません。
したがって、一般的には損害賠償は難しいといわざるをえないと思います。
もっとも、相手との技量差や生徒の能力把握の不十分さ、炎天下過酷な状況
下で試合をさせた、ピッチャーが危険球を投げ続けても注意しなかったなど、
デッド・ボールが発生した事情いかんでは、損害賠償が認められる可能性は
出てくるでしょう。
次に、ピッチャーをした生徒自身の責任ですが、高校生ということで、その生
徒にも責任能力があると考えた場合、その責任を問えるかという問題です。
これも、野球という競技の性格上、故意にねらったり、危険球を連発したよう
な場合でもない限り違法でないということになると思われます。 そうしますと、
生徒の親に対する監督義務違反を根拠とする損害賠償請求もより難しくなる
と言えるでしょう。