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自分で遺言書をつくる方法

2018.12.08 > 法律Q&A

遺言とは、自分の死後の財産や身分上の関係について書き残しておくもののことをいいます。民法上、遺言にはいくつか種類がありますが、そのうち、遺言者が遺言の全文、日付、氏名を自署し、押印することによって成立する遺言のことを自筆証書遺言といいます。

この自筆証書遺言は、遺言者自らが作成するもので、証人や立会人などはいらない遺言です。そのため、簡単に作成できる上、遺言を書いたことやその内容を誰にも知られずにすみますし、費用も不要といった点でメリットがあります。他方、せっかく作成しても発見されない可能性もありますし、民法では遺言の書式を厳格に定めており、それに則って作成しないと無効とされてしまう危険もあります。これは、偽造や変造を防ぎ、遺言者にも慎重に意思を表示させるためであるとされています。
そこで、自筆遺言証書の作成にあたっては、以下のような注意が必要です。

まず、全部自筆する必要があります。
遺言者が口述した内容を他人に代筆させたり、自分が下書きしたものを他人に清書させたりすると、無効となります。さらに、パソコンを用いると自筆にはなりませんので、無効です。同様に、録音テープで遺言ができると便利ですが、改変しやすいということもありますし、これを「自筆」と評価するのは困難なため、認められていません。

次に、日付を正確に記載する必要があります。
この日付とは年月日を指します。これは、遺言能力の有無の判断基準になりますし、内容が矛盾する複数の遺言がある場合、最後のものが有効な遺言と認められるからです。年月日のいずれかの記載を欠いたり、「平成25年1月吉日」と記した遺言書は無効です。ただし、必ずしも暦の年月日を数字で表さなくても、自身の「還暦の日」とか「○回目の誕生日」といった記載でよいとはされています。もっとも、このような紛らわしい記載はしない方がよいでしょう。また、日付スタンプを押した遺言は無効です。

氏名は、通称、雅号、ペンネーム、芸名などでも、同一性がわかれば有効とされていますが、戸籍上の氏名を記載しておいた方がよいでしょう。

加除訂正するには、必ず変更した場所に印を押し、欄外又は末尾に場所を指示して変更したことを付記し、署名しなければなりません(例えば、「何行目1字加入1字削除」)。このような方式を踏まない加除訂正は無効とされます。

自筆遺言証書は、遺言者が亡くなった後に遺言を保管又は発見した人が、家庭裁判所に提出して、検認の請求をすることが必要です。自筆証書遺言は封筒などに入れて封印することは要件になっていませんが、封印された遺言は、家庭裁判所で開封することになっています。

なお、平成30年の民法改正により、自筆証書遺言の方式が緩和されました。詳しくは、新着情報「民法(相続)の改正2(遺言制度等)」をご覧ください。